資材の活用術 地温上昇・葉焼け対策に|黒マルチとの違いで見る紙マルチ「サステナマルチ」の効果と使い方

2026-08-27
夏の地温上昇・葉焼け対策に|黒マルチより最大5℃涼しい紙マルチ「サステナマルチ」の効果
紙マルチ「サステナマルチ」記事バナー

▼こんなお悩みを持つ方におすすめ

✓ 夏場、マルチの表面温度が高くなりすぎて葉焼けや根腐れが心配な方

✓ マルチの回収・乾燥・束ねといった収穫後の片づけ作業に時間を取られている方

✓ 生分解マルチの保管中の劣化や、廃プラスチックの処分費用に悩んでいる方

小西 到也

坂ノ途中の研究室 | 接点を持ったメーカー・生産者200社以上

小西 到也

≫執筆者プロフィール

いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。坂ノ途中の研究室の小西です。

お盆を過ぎても厳しい暑さが続く時期になりました。
涼しくなったなと思った矢先に一気に気温が上がったりと、体調的にもなかなか厳しい状況が続いていますが、ご体調崩されていらっしゃらないでしょうか。

今回は紙でできたマルチ「サステナマルチ」のご紹介です。
昨今の暑さで、黒マルチだと上に手をかざしただけで「これは葉焼けするな」と感じる瞬間があります。
地温が上がりすぎると、根が本来の力を発揮できなくなり、生育や品質に影響が出てしまうことも少なくありません。

今回は、夏の高温期に地温が上がり過ぎることの影響を、公的な情報をもとに整理したうえで、地温の上昇を抑えられる紙製の農業用マルチシート「サステナマルチ」についてご紹介します。

お急ぎの方はこちらから:
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夏の高温期、地温が上がりすぎると何が起こるのか

作物には生育に適した温度帯があり、それを超える高温にさらされ続けると、生育不良や品質低下といった「高温障害」が起こりやすくなることが知られています。
独立行政法人農畜産業振興機構の記事によると、トマトでは高温による着花・着果不良の発生が令和5年には全国の4割程度の県で見られたと報告されています。

【ポイント1】根の働きが鈍り、水分・養分を吸いにくくなる

高温にさらされた根は、水分や養分の吸収能力そのものが落ちることがあります。
同機構が紹介する専門家解説によれば、トマトの事例では育苗期や定植期に高温に遭遇すると新根の発生が抑えられ、水分や養分を十分に吸収できずに草勢が低下することが指摘されています。

根が弱ると、株全体の勢いが落ちてしまうということです。

【ポイント2】尻腐れなど、品質面のトラブルにもつながる

果実の品質にも影響が及びます。
同機構の記事では、果実の肥大期に気温・日射量が急上昇するタイミングでカルシウムの吸収・移動がうまくいかなくなり、尻腐れ果が発生しやすくなることが解説されています。

見た目の悪化や出荷不可につながる、避けたいトラブルの一つです。

マルチは本来、地温を保ち雑草を抑えるための資材ですが、黒色のマルチは太陽光を吸収しやすいぶん、真夏はマルチ自体の表面温度がかなり高くなり、葉が触れると葉焼けを起こしたり、地温が上がりすぎて根を傷めたりすることがあります。

夏場に限っては、「地温を上げる」マルチ本来の役割が、むしろ負担になってしまう場面があるわけです。

「地温を上げすぎない」紙マルチという選択肢

そこで注目したいのが、地温の上昇を穏やかに抑えられる紙製の農業用マルチシート「サステナマルチ(王子エフテックス製)」です。

メーカーによると、サステナマルチは黒色の生分解マルチやPE製ビニールマルチと比較して地温を約4〜5℃、白黒マルチ対比でも約2℃低く保てるとされています。
日中の表面温度も手で触れられる程度に収まりやすく、フィルムマルチで生じがちな葉焼け・根腐れのリスクを抑えやすいとのことです。

比較対象別に整理すると、メーカー資料では次のような地温差が紹介されています。

比較対象サステナマルチとの地温差(メーカー資料)
黒色の生分解マルチ・PE製ビニールマルチ約4〜5℃低い
白黒マルチ約2℃低い

いずれも「地温を上げすぎない」方向にはたらくため、真夏の高温期ほど差が体感しやすいポイントです。

【ここが便利】地温を抑えられる理由は素材そのものだけではありません。
メーカー資料によると、そのしくみは次のような流れで説明されています。

①展張直後は、畝とマルチの間に空気の層ができ、断熱材のような役割を果たす
②降雨や夜露でマルチの表面が水分を含む
③日中、その水分が蒸発する際に気化熱が奪われ、地温の上昇が抑えられる

紙ならではの吸水・蒸散のはたらきが、地温抑制につながっているようです。

メーカーの実証データでは、リーフレタスでの生育事例として、サステナマルチを使用した場合に重さが最大2倍、平均でも3〜5割ほど増加したという結果も紹介されています(メーカー自社調べ)。

地温抑制の効果を、まずは一部の畝で試してみませんか。
≫サステナマルチの詳細はこちら

収穫後の片づけも、紙だからこそシンプルに

紙マルチのもう一つの特長は、使用後の後始末です。
収穫後は畑にそのまま鋤き込むことで、微生物のはたらきによって土の中で水と二酸化炭素に分解されていきます。

剥がして乾かして束ねて回収日に出す、という一連の作業が要らなくなるということですね。

PE製ビニールマルチを使っている場合に発生する、廃プラスチックの処分費用についても、メーカーは参考として栃木県芳賀農業振興事務所のデータをもとに、1kgあたり71円の処分費用削減効果を紹介しています。

また紙製のため長期保管がきくので、生分解性フィルムマルチのように保管中に少しずつ加水分解が進んでしまう心配が少なく、使用量の見込み違いがあっても、翌年に持ち越して使えるとされています。

メーカー資料では、梱包未開封・常温保管であれば品質保証期間は2年間とされていますが、保管中に水濡れがあると保証対象外になるため注意が必要です。

なお、土中での分解の速さは製品タイプによって差があり、メーカーの実証データでは、生育期間の長い「ハードタイプ」で約2〜3ヶ月程度となっております。

実際に使っている生産者さまの声

商品ページでは、サステナマルチを導入した生産者のインタビュー動画をご紹介しています

熊本県・たまねぎ農家(子出藤農園さま):マルチを剥がす作業や廃棄費用がかからず、環境面・作業効率・費用面のいずれにおいても導入してよかったです。

ブロッコリー農家(横田農園)さま:猛暑の中でもマルチ自体の温度が上がりにくく、生分解マルチでは定植前に分解してしまっていたところ、サステナマルチはしっかり残ってくれて、8月上旬という高温期の定植でも生育が停滞しませんでした。

いずれも個々の圃場条件による結果であり、効果を保証するものではありませんが、実際の導入事例として参考にしていただけます。

同じような悩みをお持ちの方は、まずLINEで圃場の状況をお聞かせください。

使用時の注意点

メーカーの案内によると、導入時には次の点に気をつけると失敗しにくくなります。

・フィルムマルチのように伸びない素材のため、マルチャーで展張する際はテンションをかけすぎないよう調整すること
・地際部分(マルチと土の境目)から分解が進みやすいため、風で飛ばされないよう随時土寄せを行い、破れた部分を覆うこと
・通気性がよいぶん土が乾燥しやすい傾向があるため、作物や土質によっては適度に灌水を行うこと
・紙という材料の特性上マルチバーナーの使用はできません。

① サステナマルチ(スタンダードタイプ)

坂ノ途中の資材ショップで扱っているのは、王子エフテックス製の紙製マルチシート「サステナマルチ」です。
今回はニンジンやカボチャ、イチゴなど比較的生育期間が中程度の作物に向く「スタンダードタイプ」を中心にご紹介します。

色はベージュ/黒の両面仕様、厚みは0.085mm、巻長は200m、幅は95cm・135cm・150cmから選べます(穴あり・穴なしタイプあり)。
敷設期間の目安は4〜6ヶ月で、ニンジン・カボチャ・イチゴなどの生育期間に相当するとされています。
価格は穴なし・幅95cmタイプで11,625円(税込12,787円)からで、基本送料無料です(北海道・沖縄・離島は別途見積もり)。

▼ 幅・穴あり/なしのバリエーションは商品ページでご確認いただけます
≫サステナマルチ(スタンダードタイプ)の価格・仕様一覧はこちら

なお、有機JASの適合資材としては登録されていません。
坂ノ途中の資材取り扱い基準のもとで販売している商品ですので、有機JAS認証圃場での使用をご検討の場合は、念のため登録認証機関にご確認いただくことをおすすめします。

▼ 収穫後の片づけ時間を減らし、夏の高温から作物と資材を守る紙製マルチシート「サステナマルチ(スタンダードタイプ)」
「自分の畑の作型に合うか相談したい」「穴あきタイプの規格を見たい」という方は、商品ページまたはLINEからお気軽にお問い合わせください。

≫詳細・ご注文はこちら

※保管について
メーカー資料によると、梱包未開封・常温保管であれば品質保証期間は2年間とされています。
保管中に水濡れがあると保証対象外になるため、ご注意ください。

まとめ

夏の高温期は、地温の上がりすぎが根の働きや果実の品質にまで影響しかねない季節です。
従来の黒いフィルムマルチは地温を上げる方向に働きやすいため、真夏は葉焼けや根腐れのリスクと隣り合わせになりがちです。

紙製のサステナマルチは、地温を抑えめに保てるうえに、収穫後はそのまま畑に鋤き込んで分解させられるため、回収・廃棄の手間やコストも見直せます。
この夏の高温対策の一つとして、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。


▼まずは商品ページをチェック
≫「サステナマルチ(スタンダードタイプ)」の詳細・ご注文はこちら

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お気軽にご連絡ください、お待ちしております!

よくある質問

Q1. サステナマルチは、どんな作物にも使えますか?

メーカーの実証データでは、製品タイプを使い分けることで、にんにく・たまねぎ・ブロッコリー・トマト・カボチャ・レタスなど幅広い品目での使用事例が紹介されています。
ただし作物や地域によって適性は異なるため、まずは一部の畝で試してから本格導入することをおすすめします。
ご自身の作型で使えるか迷う場合は、LINEからお気軽にご相談ください。

Q2. 黒いマルチなのに、なぜ地温が上がりすぎないのですか?

メーカーの説明によると、紙という素材の性質上、夜露や雨で濡れた表面が日中に乾く過程で気化熱が奪われることが、地温の上昇を穏やかにする一因とされています。
あわせて黒色のPE製マルチやフィルム系の生分解マルチと比べても、地温が低めに保たれるという実測データが紹介されています。

Q3. 生分解マルチとの違いは何ですか?

生分解性フィルムマルチは温度・湿度・紫外線の影響で保管中に少しずつ加水分解が進みますが、紙マルチは常温保管であれば劣化しにくく、長期保管がしやすい点が異なるとされています。
土中での分解の仕組みは、いずれも微生物の力を借りて水と二酸化炭素に分解する点で共通しています。

Q4. 有機JAS認証圃場でも使えますか?

サステナマルチは有機JASの適合資材としては登録されていません。
坂ノ途中の取り扱い基準のもとで販売していますが、有機認定圃場でのご使用については、最終的にご契約の登録認証機関にご確認いただくのが確実です。

参考・引用元

・独立行政法人 農畜産業振興機構「夏の記録的高温に係る影響と全国の産地において効果のあった適応策等の状況について」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/wadai/2508_wadai4.html

・独立行政法人 農畜産業振興機構「施設栽培トマトの高温障害軽減に向けた対策技術とその効果」
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/2508_chosa1.html

・坂ノ途中 資材ショップ「サステナマルチ」商品ページ
https://saka-shizai.i17.bcart.jp/product.php?id=86

・日本紙パルプ商事株式会社「農業用 紙製マルチシートのご案内」(OJIサステナマルチ取扱資料・品質保証期間等の記載)

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