【肥料製造工場訪問レポ:山田製油ごま油かす編】油かす肥料の品質はどう決まる?
▼こんなお悩みを持つ方におすすめ
✓ 資材価格の高騰で、良質な窒素源をどう確保するか悩んでいる方
✓ 「油かす」と一口に言っても、どれを選べばいいか分からない方
✓ 油かすの作業性や品質を向上させたい方
この夏、窒素肥料の選定についてのご相談を続けて何件もいただきました。
今回は、資材価格が高騰する中でも良質な窒素源を確保できる山田製油「ごま油かす」の工場取材の様子を特集します!
工場取材で見えてきた、「ごま油かす」の品質のつくり込み
「資材が値上がりする中で、窒素源をどう確保すればいいか」。
この夏、窒素肥料の選定についてのご相談を続けて何件もいただきました。
答えの一つとして今回ご紹介したいのが、坂ノ途中で扱っている「山田製油ごま油かす」です。
先日、製造元である山田製油さんの工場に直接お邪魔し、その製造工程を見せていただく機会がありました。
パッケージや商品ページの情報だけでは分からない、品質のつくり込みを目の当たりにしてきましたので、その様子と合わせてご紹介します。
なぜ「一番搾り」のごま油かすなのか——現場で見えた品質へのこだわり
ごま油かすは、ごまからごま油を搾ったあとに残る副産物です。
同じ油かすでも、搾り方によって残る成分は大きく変わります。
山田製油さんが採用しているのは、昔ながらの圧搾法である「一番搾り」。
原料のごまは工場で選別され、大きな異物はあらかじめ取り除かれています。
焙煎は一度あたりおよそ40kg、20〜25分ほどかけますが、その日の気温や湿度、ごまの種類によっていり加減を機械任せにはせず、職人が目と鼻で判断しながら微調整しているとのことでした。
特に印象的だったのが、搾油の判断です。
円筒状の圧搾機で搾る際、まだ2〜3回は搾れる状態であっても、そこで搾るのを止める。
搾り切るとえぐみが出てしまうため、あえて油分を残した状態で搾油を終えるそうです。
この「あえて搾りきらない」判断こそが、ごま油かすに豊富な油分やタンパク質を残す最大の理由でした。
しぼりたての油が出てくる様子
原料のごまの油分はもともと50〜55%程度ありますが、一番搾りで丁寧に仕上げると、最終的な製品化率はおよそ27%。
100kgのごまを使っても、製品として仕上がるのは27kgほどです。
搾油を始めてから瓶詰めまで、約1ヶ月かかるとのことでした。
ちなみに…できたばかりのごま油は、いわゆる市販のごま油とは似て非なるクリーミーな味わいでした!
製品も抜群においしく、何にかけても味を引き上げてくれます。
【他社にはあまりない一手間】湯洗いという工程
もうひとつ、山田製油さんならではの工程が「湯洗い」です。
ボイラーの蒸気で油を80℃まで温め、そこにお湯を加えて10分ほど撹拌。
お湯で油を洗うことで、汚れが水分側に移っていく仕組みだそうです。
撹拌後は丸1日かけてゆっくりと冷まします。
山田製油さんによると、この湯洗いの工程は手間がかかるため、他社ではあまり行われておらず、油の仕上がりに大きく影響するとのことでした。
冷蔵庫でさらに2週間ほど静置すると下層にオリ(沈殿物)が沈み、その後、薪を使って100℃まで加熱し水分を完全に飛ばします。
左:おりが沈殿した状態、右:おりが全体に混ざっている状態
薪での加熱は温度管理に手間がかかりますが、「薪でやる方が油の仕上がりがよい」とのお話でした。
原料の調達先や品種は一定ではなく変化するため、焙煎具合や搾りの強さ、火加減もそのたびに調整し直す必要があります。
それでも高い品質を保ち続けてきたのは、職人の技術力があってこそだと感じました。
なお、油かす販売を始める前からお付き合いのあったお茶農家さんに渡すところから販売がスタートしたそうで、廃棄物として扱うことなく資源循環を実現できているのも、山田製油さんの油かすづくりの背景にある姿勢です。
こうしてできた「山田製油ごま油かす」だからこその特長
工場で見てきた工程が、そのまま商品の特長につながっています。
肥効がゆっくり長く続く:
メーカーによると、あえて絞り切らずに残した油分や未分解タンパク質が微生物による分解を緩やかにし、肥効が長く続くとされています。
窒素主体の元肥に適した成分バランス:
窒素含有量はN:5.1%、P:1.0%、K:0.8%(保証成分量)。
粉っぽくなりすぎない:
化学薬品を使って搾り込んでいないため、一般的に販売されている油かすと異なり、粉っぽくなりすぎないという特徴があり、散布の際に風で飛散しにくい形状です。
有機JAS対応:
資材証明書の発行が可能です(有機JAS認証圃場でのご使用は、念のため登録認証機関にご確認ください)。
山田製油ごま油かす
一番搾りだからこそ油分やタンパク質を豊富に残した、緩効性・持続性に優れた有機質肥料です。
窒素主体の元肥や自家製ぼかし肥料の原料として、ハウス・露地を問わずお使いいただけます。
形状は使いやすいフレーク状です。
1袋20kg、最低ロットは5袋からのお届けとなります。
価格は1袋2,500円(税込2,750円)です。
使用・保管時のご注意
油分を含むため、機械散布ではロールの詰まりにご注意ください(手撒き〈てみ等〉での散布が推奨されています)。
保管時は湿気を含みやすいため、パレットに載せて通気性を確保することが必要です。
また、匂いに誘われてネズミやカラスが袋を傷つけることがあるため、保管場所にもご注意ください。
まとめ
資材価格が上がり続けるなかで、「安いか高いか」だけでなく「どんな工程でつくられているか」まで確かめて選びたい——そう考える生産者さまに向けて、今回は山田製油さんの工場取材の様子とあわせて「ごま油かす」をご紹介しました。
搾りすぎない判断、他社にはあまりない湯洗いの工程、職人の経験に支えられた品質。
数値だけでは伝わらないこだわりを、ぜひ一度お試しいただければと思います。
「山田製油ごま油かす」は1袋20kg、最低5袋からお試しいただけます。
自圃場に合うか気になる方は、お気軽にご相談ください。
ご購入希望やご質問は、LINEよりお問い合わせください!
よくある質問
Q1. ごま油かすは有機JASの認証圃場でも使えますか?
資材証明書の発行が可能な商品です。
ご自身の認証圃場で使用可能かどうかは、登録認証機関にご確認ください。
Q2. 散布方法に決まりはありますか?
粒度が粗いため、手撒き(てみ等)での散布が推奨されています。
機械散布の場合は油分による詰まりに注意が必要です。
Q3. 保管するときの注意点は?
湿気を含みやすく、地面に直置きすると接地面から発酵してしまうことがあります。
パレットなどに載せて通気性を確保し、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
Q4. 他の油かすとの違いは何ですか?
一番搾りという圧搾法で、あえて搾りすぎずに油分やタンパク質を残している点が特徴です。
そのため肥効がゆっくりと長く続く傾向があります。
また、湯洗いという工程を経ている点も、他の油かすとは異なる特徴です。