有機転換で収入を落とさないためにやったこと|元農家の実践

有機転換で収入を落とさないためにやったこと|元農家の実践
有機転換期に収入を落とさないためのポイント

▼こんなお悩みを持つ方におすすめ

✓ 有機転換期の収入減が心配で、なかなか動き出せない方

転換コストをどう吸収すればいいかわからない方

✓ 有機農業で実際に経営が成り立っている農家の話を聞きたい方

田島寛也

坂ノ途中の研究室 | 元レンコン農家・税理士法人勤務

田島 寛也

≫執筆者プロフィール

夏本番、圃場での作業にも熱が入る時期になりましたね。
今回は有機転換期に収入を落とさないための考え方を、私自身が転換を経験した立場からお伝えします。

転換期でも、収入は落ちませんでした

有機農業への転換を考えるとき、最も多いお悩みのひとつが「転換中に収入が落ちないか」という不安ではないでしょうか。
私自身は転換期を通じて「収入は落ちていない」という結果でした。

ただし、それには理由があります。
たまたまうまくいったわけではなく、事前に考えていたことがありました。
その内容をお伝えします。

ポイントは2つあります。

① 販路と売価を、転換前に設計する
② 設備投資は計画的に

ポイント1|販路と売価を、転換前に設計する

私が最初に考えたのは「販売先を確保してから転換する」ことでした。
愛知県には農薬・化学肥料を使わないレンコンを求めるオーガニックスーパーや飲食店があり、競合も少なかった。
栽培方法を価格転嫁しやすい販路が先にあったからこそ、転換中も収入を維持できたと思っています。

有機肥料は単に肥料費だけでなく、散布にかかる労務費や、機械の減価償却費といったコストが増加します。
ただ、面積あたりのコストを計算して、その分を売価に上乗せできる仕組みが整っていれば、原価率を維持することは十分可能です。

ポイント2|設備投資は計画的に

転換2年目に散布機(マニアスプレッダー)を購入したことで、借入金の返済を考慮した資金繰りが必要となりました。
これが当時の資金繰りを圧迫した経験から言えるのは、損益計算書だけでなく、キャッシュフローも意識した事業計画を立てておく必要があるということです。

最初は有機肥料の袋を担いで圃場を歩いて散布をしていましたが、正直かなりハードな作業でした。
設備投資を行う場合は、金融機関との交渉は避けて通れませんので、栽培方針を転換する機会に慣れておくのも良いと思います。

理想は「半々の期間」を長くとること

今振り返ると、就農3年目から有機肥料100%の施肥設計に転換したことで、販路の開拓や設備投資で、一気に業務量が増えてしまっていました。
今思うと、有機肥料と化学肥料を半々で使う期間を2〜5年間ゆっくり設けて、土づくりが安定してから全面的な切り替えに進むのが理想だったと思います。

転換期は「結果が出るまでの準備期間」と捉え、焦らず着実に進むことが、結果的に収入の安定につながります。

よくある質問

Q1. 有機転換期は収入が下がりますか?

必ずしも下がるわけではありません。
転換前に販路と売価を設計し、増えるコストを売価に反映できる仕組みを整えておけば、原価率を維持しながら収入を保つことは十分可能です。

Q2. 有機転換で増えるコストには何がありますか?

肥料費そのものに加えて、散布にかかる労務費や、散布機など機械の減価償却費が増加します。
面積あたりのコストを計算し、その分を売価に上乗せできる販路を確保しておくことが大切です。

Q3. 有機転換はどのくらいの期間をかけて進めるのが理想ですか?

有機肥料と化学肥料を半々で使う期間を2〜5年ほどゆっくり設け、土づくりが安定してから全面的に切り替えるのが理想です。
焦らず準備期間と捉えて進めることが、結果的に収入の安定につながります。

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