収量UPと土壌改良!堆肥を最大限に活かす「養分系・育土系」の使い分けと効果的な施肥の作法──『つちの学校』に通い始めました(第11回)

収量UPと土壌改良!堆肥を最大限に活かす「養分系・育土系」の使い分けと効果的な施肥の作法──『つちの学校』に通い始めました(第11回)

2026-03-19

堆肥の使い分けと施肥の作法

▼こんなお悩みを持つ方におすすめ

✓ 堆肥を撒いても効果を感じにくく、正しい施肥の作法を知りたい

少ない量で堆肥の効果を高める撒き方を知りたい

緑肥(ソルゴー・ヘアリーベッチなど)の活用に興味がある

小西到也

坂ノ途中の研究室 | 接点を持ったメーカー・生産者200社以上

小西 到也

≫執筆者プロフィール

「土の学校」での学びも、残すところ今回を含めてあと2回。
最初は「全12回って長いな…」なんて思っていましたが、振り返ればあっという間にこのタイミングを迎えたなという感覚です。
卒業が近づき少し寂しい気持ちも混じりながらの受講となりました

今回は、これまで学んできた知識を総動員して、いよいよ「堆肥をどう使いこなすか」という実践的なポイントを学びました。
せっかく作った良い堆肥も、使いどころを間違えてはもったいない。
その「目利き」と「作法」をレポートします!


1. 堆肥の使い方のポイント① 目的に応じた「履歴書」の確認

堆肥には、大きく分けて2つのタイプがあることを学びました。
自分の畑がいま何を求めているのかによって、選ぶべき相手が変わります。

  • 養分系堆肥(元肥・追肥に):鶏糞、豚糞、牛糞、生ごみ堆肥などがこちら。窒素などの栄養が豊富で、野菜をぐんぐん大きく育てたいときに適しています。
  • 育土系堆肥(土壌改良・マルチに):バーク堆肥、もみがら堆肥、落葉堆肥などがこちら。栄養分は控えめですが、土をふかふかにし、微生物の住処を整えて「土そのものの力」を高めてくれます。

「とりあえず堆肥を撒く」のではなく、「今日は栄養をあげたいのか、土の家づくりをしたいのか」という目的意識を持つことの大切さを教わりました。

2. 堆肥の使い方のポイント② 微生物を殺さない、効果的な撒き方

どんなに良い堆肥でも、撒き方ひとつでその効果は半減してしまいます。
講義で特に「明日から実践しよう!」と思ったのが、微生物への「思いやり」を感じるこの作法です。

  • 「浅く」施すのが鉄則:堆肥は深さ5〜7cm程度の表層に施すのが理想的です。これは森林の腐植化と同じ仕組みで、空気の多い場所で微生物が活発に動き、土を団粒化してくれるからです。
  • 紫外線から守る:堆肥の中にいる有用な微生物たちは、実は紫外線にとても弱いです。撒いたまま放置せず、晴天時はすぐに土と混ぜ合わせる(耕転する)ことが、彼らの命を守ることに繋がります。
  • まとめて施す「コロニー作り」:全面に薄く広げるよりも、ある程度まとめて施すことで、有用微生物の「コロニー(集団)」ができやすくなり、結果として少ない量でも高い効果が得られます。

3. 参考:緑肥の活用という「もう一つの土づくり」

最後に、堆肥と並んで重要な「緑肥(りょくひ)」についても触れられました。
ソルゴーやヘアリーベッチといった植物を育てて、そのまま土にすき込む緑肥は、物理性の改善や病害虫の抑制に驚くほどの力を発揮します。

堆肥を運んで撒くのが「外部からの応援」だとしたら、緑肥はその場所で根を張り、自らの力で土を耕してもらう「現地での自律的な土づくり」のようなもの。
この2つを組み合わせることで、土の豊かさはさらに加速していくのだとワクワクしました。

「堆肥は、ただの肥料ではなく『生きた微生物肥料』なんだ」。
その言葉を胸に、次回の最終回では、これまでの学びをどう未来の畑に繋げていくのか、その集大成をお伝えしたいと思います。

▼ポイント

養分系と育土系で使い分ける。野菜を大きく育てたいなら養分系(鶏糞・豚糞・牛糞・生ごみ堆肥)を元肥・追肥に、土をふかふかに改良したいならバーク・もみがら・落葉堆肥などの育土系を使う。

堆肥は深さ5〜7cmに浅く施す。森林の腐植化と同じ仕組みで、空気の多い表層ほど微生物が活発に働き、土の団粒化を促す。

撒いたら放置せず紫外線から守る。有用微生物は紫外線に弱いため、晴天時はすぐに土と混ぜ合わせる(耕転する)ことが微生物を守るコツ。

・堆肥を撒くときはまとめて施して「コロニー」を作る。全面に薄く広げるより、ある程度まとめて施すと有用微生物の集団ができやすく、少ない量でも高い効果が得られる。

緑肥は「自律的な土づくり」。ソルゴーやヘアリーベッチを育てて土にすき込む手法で、堆肥が「外部からの応援」なら緑肥はその場で根を張り自ら土を耕す。物理性の改善や病害虫の抑制に力を発揮する。


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