地力窒素を積み立てる!堆肥を連用(使い続ける)ことで土と野菜に起きる劇的な変化──『つちの学校』に通い始めました(第12回:最終回)

地力窒素を積み立てる!堆肥を連用(使い続ける)ことで土と野菜に起きる劇的な変化──『つちの学校』に通い始めました(第12回:最終回)

2026-04-09

堆肥の連用で変わる土と野菜(最終回)

▼こんなお悩みを持つ方におすすめ

✓ 堆肥を続けることで土がどう変わるのか、長期的な効果を知りたい

化学肥料を減らして持続可能な栽培に取り組みたい

✓ 肥料価格の高騰に左右されない「肥料の自給」に関心がある

小西到也

坂ノ途中の研究室 | 接点を持ったメーカー・生産者200社以上

小西 到也

≫執筆者プロフィール

最終回をとうとう迎えてしまいました。
あとは合否判定がかかったテストを残すのみです。
「土の学校」レポートも、ついに今回が最後となりました。
全12回のプログラムを終え、あとは合否判定がかかった修了テストを残すのみです。

最終回のテーマは、堆肥を使い続けることの意義と、私たちが直面している課題について。
これまでの学びがすべて繋がる、集大成の内容です。


1. 堆肥を使い続けると、土はどう変わるのか?

「堆肥を入れる」という行為は単発のイベントではなく、土への「積立貯金」のようなものです。
講義では、連用(使い続けること)による効果を学びました。

  • 「地力窒素」という貯金が増える:堆肥を毎年投入し続けると、土の中に蓄えられた有機物がじわじわと分解され、作物に供給される窒素量が増えていきます。5年、10年と続けるうちに、化学肥料を大幅に減らしても豊かな収穫が得られる「地力のある土」へと育っていくのです。
  • 食品の「質」が変わる:堆肥によって土の団粒構造が整うと、水持ちと水はけのバランスが安定します。すると植物の根が健やかに育ち、ビタミンや糖分が豊富で、日持ちの良い「力強い野菜」が育つようになります。
  • 病気に強い生態系ができる:多様な微生物がひしめき合う土では、特定の病原菌だけが暴れることができません。堆肥を使い続けることは、土そのものに「免疫力」をつけてあげる作業でもあるのです。

2. 堆肥活用に向けた、これからの課題

一方で、堆肥を当たり前の文化にしていくためには、まだ乗り越えるべき壁があることも知りました。

  • 「良質」をどう守り、普及させるか:家畜糞などをただ積んでおくだけでは、良い堆肥にはなりません。未熟な堆肥は逆に病気の原因になることもあります。作り手の技術向上や、目的(物理性改善なのか、養分補給なのか)に合わせた使い分けの知識を広めていくことが不可欠です。
  • 「ゴミ」を「宝」と捉え直す意識:食品残渣や製造廃棄物など、身近にある未利用資源をどう有効活用していくか。これらを「捨てればゴミ、活かせば宝」と捉え、地域の中で資源を回すローカルな循環モデルを作ることが、これからの大きなテーマになります。
  • 肥料の自給を目指して:グローバルな情勢に左右される肥料価格に振り回されず、身近な有機物で「肥料の自給」を実現すること。それは、持続可能な農業を守るための切実な挑戦でもあります。

今回の学び

「土を育てることは、未来を育てること」。
12回の講義を通じて私が受け取ったのは、単なる農法ではなく、命の循環に対する深い敬意でした。

修了テストという最後のハードルはありますが、ここで得た知識と白川町で過ごした時間は、私のこれからの土づくりにおいて、何よりの「完熟堆肥」になってくれると信じています。

半年間のレポートにお付き合いいただき、ありがとうございました!
皆さんの足元の土にも、素敵な微生物のリレーが始まりますように。

▼ポイント

堆肥を連用すると「地力窒素」が積み立てられる。5年・10年と続けるうちに化学肥料を大幅に減らしても豊かな収穫が得られる「地力のある土」に育ち、団粒構造の安定と多様な微生物で力強く病気に強い土になる。

堆肥で野菜の質が変わる。土の団粒構造が整い水持ちと水はけのバランスが安定すると、根が健やかに育ち、ビタミンや糖分が豊富で日持ちの良い「力強い野菜」が育つ。

未熟な堆肥は逆に病気の原因になる。家畜糞などをただ積んでおくだけでは良い堆肥にならず、作り手の技術向上と目的(物理性改善か養分補給か)に合わせた使い分けが大切。

・堆肥活用の今後の課題は「良質な堆肥の普及」「未利用資源の活用」「肥料の自給」。食品残渣などを「ゴミ」ではなく「宝」として地域で循環させ、肥料価格に左右されない自給を実現できるかが大きなテーマ。


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