全圃場を化成肥料から有機に切り替えた体験談|転換スケジュール/販路開拓/情報源──有機質肥料を活かす
▼こんなお悩みを持つ方におすすめ
✓ 有機農業に興味はあるけれど、転換のイメージがつかない方
✓ 転換のタイミングや手順がわからず、踏み出せずにいる方
✓ 転換の際の情報源に悩んでいる方
田んぼのレンコンが青々と葉を広げる季節になりました。
今回は、私自身が全圃場を化成肥料から有機へ切り替えた体験を、当時の失敗も含めて正直にお話しします。
「若かったんですよね」と笑いながら振り返る、就農2年目。
その年、私はすべての圃場で有機と化成を半々に切り替えるという、今思えばかなり大胆な決断をしていました。
なぜそこまで踏み切れたのか。
そして今振り返って「こうすればよかった」と思うこととは。
自分自身の経験を、正直にお伝えします。
私の転換スケジュール
私がレンコン栽培を始めたのは2016年。
当初は慣行農業でスタートしました。
理由はシンプルで、レンコンの有機栽培体系が当時まったく整っていなかったからです。
圃場に、深刻な問題が起きていました。
祖父が使い続けていた一発肥料の成分が強く効きすぎて、腐敗病が広がり、収量が激減していたのです。
「このままではいけない」という危機感が、転換への決断を後押ししました。
そしていきなり全ての圃場で、有機と化学肥料を半々で使い始めたのです。
2年目の勢いのまま、全ての圃場を有機に転換しました。
今、私が思う「理想の転換スケジュール」
私が今、慣行栽培から有機栽培へ転換する方にお伝えしたい方法は、次のとおりです。
もう少し長く「転換の期間」を取ればよかったと、今になって感じています。
化成肥料の量は変えず、堆肥を追加投入することだけを意識してください。
収量への影響はほとんど出ないため、失敗リスクが低いスタートラインです。
この年の目的は「収量を上げること」ではなく「土に有機物を入れることに慣れる」こと。
土の手触りや作物の様子を観察し、変化を感じるための練習年として位置づけましょう。
アミノ酸系の有機肥料を元肥に加えながら、化成肥料の使用量を段階的に減らしていきます。
3割削減を目安に始めると、負担が少なく進めやすいです。
液肥を葉面散布に使い始めるのもこのタイミングに向いています。
枝葉の充実を目的とした補完的な使い方から慣れていくと、翌年の設計が組みやすくなります。
カルシウムやマグネシウムなどの微量元素を有機原料に切り替え、元肥を有機ベースの設計に移行します。
化成はピンポイントで不足成分を補う役割に絞っていくイメージです。
コスト管理のポイントは「肥料費の原価率を上げないこと」。
有機肥料の単価が上がる分、付加価値をつけた売価設計をセットで考えることで、経営的に持続できる転換になります。
転換と同時にやっておきたいこと
転換と同時にやっておいたほうがいいこととして、私は「販路の開拓」を一番に挙げます。
有機で作った作物ができてから“出たとこ勝負”ではなく、あらかじめ見込んでいる取引先との接点を持っておくこと。
そして、いざ出荷を始めるときに計画的な出荷ができるよう準備しておくことが重要です。
既存の出荷先(JA等)も、市場に対して計画的に出荷を行う必要があります。
その分の出荷を新規の取引先に回すなら、新規開拓した取引先への出荷量を差し引いて、既存取引先への出荷計画を提出したほうが、トラブルが起きにくいと考えています。
また、新規で取引先を開拓する場合の出荷見込み量は、最低の単収で計算して出しておくほうが、確実に出し切れて安全です。
資材選びの情報源
資材選びで参考にしたのは、インターネットではなく、4Hクラブの先輩農家と、近所の農家さんのアドバイスでした。
「ネットは情報が多すぎて、結局使えなかった」というのが正直なところです。
農業は一度の失敗が長く影響を残すため、実際に肥料を使ったことのある方が勧めてくれた情報でないと、なかなか信用しにくいんですよね。
レンコン特有の情報がほとんどなかったので、他の根菜類の事例を参考にしながら、自分の圃場に合わせて応用していきました。
坂ノ途中の資材販売では、全国から有機資材の情報を集め、一部の資材では提携生産者からヒアリングしたレビューをご紹介しています。
有機栽培への転換を検討されている方は、資材の選択肢が劇的に広がりますので、ぜひ公式ECサイトをご覧ください。
最後に
有機転換は、決断よりも「続け方」のほうが難しいと感じます。
焦らず、販路の開拓も並行しながら、自分のペースで土をつくっていく。
それが、8年経った今、私が思う理想のステップです。
資材選びや転換の進め方で迷ったときは、ぜひ一度ご相談ください。
私たちも、資材販売を通じて転換期の農家さんのご相談をお受けしています。
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