季節のおすすめ資材 べと病・灰色かび病の秋対策チェックリスト|多湿で増える前に見直す排水・通風・圃場衛生の5項目
▼こんなお悩みを持つ方におすすめ
✓ 朝晩の冷え込みとともに、葉の黄色い斑点やカビが出ないか心配
✓ 毎年晩秋に、ハクサイ・キュウリのべと病や施設の灰色かび病に悩まされている
✓ 薬剤だけに頼らず、圃場の環境から病気の出にくい条件を整えたい
朝晩がぐっと涼しくなり、秋雨で圃場が乾ききらない日も増えてきました。
今回は、この時期に増えやすいべと病・灰色かび病の発生条件と、今日から確認できる秋の病害チェックリストをまとめました!
「そろそろ病気が出るころだな」と身構えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、気温が下がり湿度が上がるこの時期に増えやすい「べと病」と「灰色かび病」について、発生しやすい条件を整理しました。
今日から確認できるチェックリストとしてまとめています。
あわせて、圃場の土台づくりに使える資材もご紹介します。
秋に病気が増えるのはなぜ?
どちらの病気にも共通するキーワードは【多湿】です。
発病しやすい温度は病気や作物ごとに違うので、分けて見ていきましょう。
べと病|晩秋の冷えと多湿で増える
茨城県の資料によると、ハクサイのべと病は、晩秋や春に気温が比較的低く推移し、多湿の日が続くと多発するとされています。
はじめ外葉に淡黄色の不規則な形の病斑ができ、その裏面に灰白色のカビが生えるのが特徴です。
キュウリのべと病は、同じく茨城県によると20~24℃の温度と多湿条件で発病しやすいとされています。
また、肥料切れや草勢の衰えも発病を助長するとされています。
キュウリでは葉脈に囲まれた角形の黄褐色の病斑ができ、湿度が高いと葉裏に暗灰色のカビが生えます。
株が弱ると出やすい、という点は覚えておきたいところです。
灰色かび病|ハウスを閉め切る季節に要注意
灰色かび病は、野菜・花き・果樹など多くの作物を侵す病気です。
宮城県病害虫防除所の資料では、トマトの灰色かび病は20℃前後のやや低温と多湿条件で多発しやすいと整理されています。
施設栽培では、外気温が低くハウスを閉め切る時間が長くなる11月から4月に発生しやすいとされています。
また同資料では、有機物の腐敗残渣も第一伝染源になりうるとしています。
ハウスを閉め切る時期は、湿気と残渣の管理が大切です。
秋の病害チェックリスト
公的機関の防除のポイントをもとに、圃場で確認したい項目をまとめました。
見回りや雨あがりのタイミングで確認してみてください。
①水はけ|雨のあと、水たまりが残っていないか
✓ 圃場の排水路・明渠は詰まっていないか
✓ 雨のあと、畝間に水が溜まったままになっていないか
茨城県は、ハクサイのべと病の防除のポイントとして、圃場の排水対策と通風の確保を挙げています。
水を溜めない圃場づくりが第一歩です。
②通風・換気|株まわりに湿気がこもっていないか
✓ 密植・過繁茂になっていないか
✓ ハウスでは、昼近くになっても葉に水滴が残っていないか
キュウリのべと病は、密植・過繁茂・換気不足で発生しやすいとされています。
施設の灰色かび病について、茨城県は、昼近くなっても葉上に水滴が残る場合は、換気・送風・暖房等で施設内の除湿を徹底するよう呼びかけています。
③圃場衛生|伝染源を圃場に残していないか
✓ 発病した葉や花がら、被害残渣を圃場外に持ち出しているか
✓ 株元に枯れ葉や腐った有機物が溜まっていないか
④株の体力|肥料切れ・草勢の衰えはないか
✓ 追肥のタイミングを逃していないか
✓ 草勢が落ちている株はないか
⑤早期発見|見回りの習慣ができているか
✓ 葉の裏まで見ているか(べと病のカビは葉裏に出ます)
✓ 発生を見つけたら、登録のある農薬をラベルの使用方法に従って、発生前や発生直後に予防しているか
【有機栽培の方へ】
有機農産物の日本農林規格では、「ほ場にあっては,農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって,耕種的防除,物理的防除,生物的防除又はこれらを適切に組み合わせた方法のみによっては有害動植物を効果的に防除することができないときは,表 B.1 の農薬に限り使用してよい。」とされています。
表B.1には、銅水和剤(殺菌剤)などが掲げられています。
使う前に、作物・病害への登録内容や、認証を受けている登録認証機関の判断などを必ず確認してください。
圃場の土台づくりに使える資材
今回ご紹介する資材は、病気そのものを防除・予防するものではありません。
病気が出てしまったら、地域の病害虫防除所や普及センターの情報も確認しながら、登録農薬で早めに対応してください。
資材の出番は、その手前の「水はけや土の状態を整える土台づくり」です。
① もみがらくん炭
──土の透水性を見直したいときに(▷チェック①関連)
雨のあとに水が抜けにくい圃場では、排水路やうねで水の逃げ道をつくるのが基本です。
そのうえで、土そのものの状態を見直したいときに使えるのが、もみがらくん炭です。
もみがらを炭化させた、素材自体に細かい孔が無数に通った多孔質の資材で、保水性・透水性が高いのが特徴です。
保水力は重量比で680%と高い一方、飽和水分を超えた分の水はほとんど排水する性質があります。
有機JASの資材証明書も発行可能です。
内容量・価格:1袋(100L)3,300円(税込)
製造元:イノチオプラントケア株式会社
※病害を防除・予防する資材ではありません。
② サンエスカルZ
──pHを上げずにカルシウムを補う(▷チェック④関連)
施肥設計でカルシウムを補いたいとき、サンエスカルZは元肥・追肥のどちらにも使えます。
中性(pH約7)のため、施用してもpHをほとんど上げないのが特徴です。
すでにpHが高めの圃場や、石灰をたくさん入れにくい場面で使いやすい資材です。
天然硫酸カルシウムを原料にした粒状(造粒品)の資材で、成分はCa32%、S18%です。
粒状なので機械散布にも対応しています。
有機JAS適合資材です。
内容量・価格:1袋(15kg)4,400円(税込)
製造元:サンエス石膏
※病害を防除・予防する資材ではありません。
まとめ
秋の病気は【多湿】で増えます。
水はけ・通風・圃場衛生・株の体力・早期発見の5つを、今のうちに一度見直してみてください。
「うちの圃場は水はけが悪くて…」「もみがらくん炭はどのくらい入れればいい?」「サンエスカルZとほかの石灰資材はどう使い分ける?」——そんな具体的なご相談も大歓迎です。
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お気軽にご連絡ください、お待ちしております!
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よくある質問
Q1. 資材を入れれば病気は防げますか?
いいえ。
排水・通風・圃場衛生といった管理が基本で、資材はその土台を整える役割です。
Q2. ハウスの換気は、寒い時期でも必要ですか?
はい。
冷え込む時期ほど閉め切りがちですが、灰色かび病は多湿条件を好みます。
昼近くになっても葉に水滴が残っているようなら、換気・送風・暖房などで除湿しましょう。
Q3. 病気の出た葉は、圃場にすき込んでもいいですか?
おすすめしません。
発病した葉や被害残渣は伝染源になるため、圃場の外に持ち出して適切に処分しましょう。
Q4. 有機栽培でも、べと病に農薬は使えますか?
有機JAS規格の表B.1に掲げられた農薬(銅水和剤など)は、耕種的防除などだけでは防ぎきれず、重大な損害が差し迫っている場合に限って使用できます。
使う場合は登録内容や認証機関の判断などを確認してください。
参考・引用元
・茨城県「ハクサイ-べと病」
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nosose/byobo/boujosidou/shiryoshitsu/shiryo-beto.html
・茨城県「キュウリ-べと病」
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nosose/byobo/boujosidou/shiryoshitsu/shiryo-k-beto.html
・茨城県「施設野菜共通-灰色かび病」
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nosose/byobo/boujosidou/shiryoshitsu/shiryo-haiirokabi.html
・宮城県病害虫防除所「トマト 灰色かび病」(病害虫ライブラリー)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/8593/05_tomato-haiirokabi.pdf
・農林水産省「有機農産物の日本農林規格」(最終改正:令和6年7月1日農林水産省告示第1280号)
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/yuuki-437.pdf