資材の活用術 肥料でも農薬でもない“第三の資材”|バイオスティミュラントのおすすめ資材2選【選び方も解説】
▼こんなお悩みを持つ方におすすめ
✓ 猛暑や乾燥など環境ストレスに負けない作物づくりをしたい
✓ 化学肥料・農薬に頼りすぎず作物本来の力を引き出したい
✓ 数ある資材の中から効果の裏づけがあるものを選びたい
最近、「バイオスティミュラント」という分類の資材を目にする機会が増えてきました。
まだ聞き慣れない方も多いと思いますので、今回は肥料でも農薬でもない“第三の資材”ともいえるこのカテゴリについて、選び方のポイントとおすすめ資材をご紹介します!
バイオスティミュラントとは?肥料・農薬との違い
バイオスティミュラントとは、ひとことで言うと「作物が本来持っている力を引き出す資材」です。
肥料のように直接的に養分(窒素・リン酸・カリウムなど)を補給するものでも、農薬のように病害虫を直接防除するものでもありません。
植物や土壌に作用することで、養分の吸収効率を高めたり、高温・乾燥・低温などの環境ストレスへの耐性を強めたり、根の発達を促したりします。
そうして結果的に、生育の安定・収量の確保・品質の向上につなげる資材群を指します。
バイオスティミュラントの代表的な原料としては、次のようなものが挙げられます。
・腐植酸・フルボ酸:堆肥や炭化物由来の有機酸で、ミネラルの吸収をサポートしたり土壌微生物の活性化に働きます。
・海藻(藻類)エキス:植物の生理作用を高める物質やミネラルを含み、発根促進やストレス耐性の向上に働きます。
・アミノ酸・タンパク加水分解物:魚由来・植物由来などがあり、吸収されやすい窒素源としてだけでなく代謝の活性化にも働きます。
・微生物資材(発酵代謝物・有用微生物):きのこ菌や乳酸菌・酵母などの発酵代謝物が、根圏微生物叢の改善に働きます。
・キチン・キトサン:カニ・エビの殻由来で、土壌微生物相の改善や植物の抵抗性向上に働きます。
近年、猛暑や急な低温、局地的な大雨など気象の振れ幅が大きくなっています。
そうしたなかで、化学肥料・農薬に頼りすぎずに、作物自身のストレス耐性や吸収力を底上げするという発想のバイオスティミュラントは、有機農業・環境保全型農業と特に相性が良い資材として注目されています。
施肥設計の主役ではなく、あくまで土壌や植物をサポートする資材、という位置づけで取り入れていただくのがおすすめです。
市場は急拡大、でも“玉石混交”。資材選びの注意点
実際、市場の伸びは数字にもはっきり表れています。
矢野経済研究所の調査によると、国内のバイオスティミュラント市場規模は2024年度で約80億円、2030年度には約122億円まで拡大すると予測されています。
農業経営体の大規模化、気候変動への対応、そして肥料価格の高騰による「効率的な施肥」へのニーズが、この伸びを後押ししているようです。
一方で、注意も必要です。
バイオスティミュラントは、農薬取締法や「肥料の品質の確保等に関する法律」のような登録・届出の枠組みが定まりきっていないカテゴリです。
そのため農林水産省の資料でも、「どの資材に効果があるのか分かりづらい」「表示があっても、その根拠となる情報が不足している」といった課題が指摘されています。
正直なところ、効果の裏づけがはっきりしないまま売られている製品も少なくありません。
こうした状況を受けて、2025年5月には農林水産省が「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を策定し、表示の適正化に向けた整備が進みつつあります。
資材を選ぶ際は、原材料や主な成分、どういう仕組みで効くのかがはっきり書かれているか。
そして、その効果を裏づける試験結果や使用実績があるか。
この2点を確認していただくのが安心です。
そこで今回は、坂ノ途中の資材販売サイトで生産者さまにご購入いただいている資材を中心に、自信をもっておすすめできるバイオスティミュラント2点を、目的別にご紹介します。
【目的別】おすすめバイオスティミュラント2選
① 地力の素(腐植酸70.6%)|土壌の保肥力を底上げしたい方に
腐植物質の原鉱を粉砕した、腐植酸を70%以上含む高濃度の腐植酸資材です。
冒頭でご紹介した「腐植酸・フルボ酸」系バイオスティミュラントの代表格ともいえる一品で、CECの向上に貢献し、土壌の保肥力そのものを底上げしてくれます。
肥料成分の流亡を抑えながら、ミネラルの吸収や土壌微生物の活性化もサポートします。
pHは3.8の酸性資材のため、アルカリ性に傾いた圃場の矯正にも活用いただけます。
粗粒・細粒・ペレットの3タイプがあり、土質や機械施肥のしやすさに合わせてお選びいただけます。
価格:粗粒20kg 4,875円/細粒20kg 5,100円/ペレット15kg 2,900円(いずれも税抜)
② HBL(ハイパーバチルスリキッド)|土壌・葉面の微生物環境を整えたい方に
泥炭と製糖産業の副産物を原料とした、バチルス菌を含む液体資材です。
含まれるバチルス菌は「芽胞」を形成するため環境の変化に強く、施用後も比較的長く安定して働いてくれるのが特長です。
有機物の分解能力が高いので、堆肥や緑肥との併用で土づくりの効果を高めてくれます。
潅水・潅注に加えて葉面散布でも使え、いずれも500〜1,000倍希釈と扱いやすいのも現場で助かるポイント。
太陽熱養生処理や堆肥づくりの際は100〜300倍で使用します。
価格:5L 9,500円(税込10,450円)/20L 20,750円(税込22,825円)
※商品によっては、発注から納品までにお時間をいただく場合がございます。
秋冬作の作付けに向けて資材の購入をご検討中の方は、お早めのお見積り・ご発注をお願い申し上げます。
※ご注文について 最低ロット等の条件は、商品ページをご確認ください。
作目ごとの具体的な施肥設計や導入のご相談も承っております。
まとめ
バイオスティミュラント資材は、施肥設計を変えずに取り入れられるのが魅力です。
「今の施肥設計はそのままに、生育の安定感や品質をもう一段引き上げたい」という方は、まずは葉面散布などで試していただくのがおすすめです。
ご不明な点は、LINEでもお気軽にご相談ください。
ご購入希望やご質問は、LINEよりお問い合わせください!
よくある質問
Q1. バイオスティミュラントは肥料や農薬と何が違うのですか?
養分を直接補給する肥料や、病害虫を直接防除する農薬とは異なり、作物が本来持つ力を引き出して、ストレス耐性や養分の吸収力を高める資材です。
施肥設計の主役ではなく、土壌や植物をサポートする位置づけで使われます。
Q2. バイオスティミュラントはどのように使えばいいですか?
資材の種類によって使い方は異なります。
たとえば液体の微生物資材HBLは、潅水・潅注や葉面散布で500〜1,000倍に希釈して使い、太陽熱養生処理や堆肥づくりでは100〜300倍で使用します。
腐植酸資材の地力の素は、土づくりの段階で土壌にすき込んで使います。
Q3. 効果のあるバイオスティミュラントはどう選べばいいですか?
原材料や主な成分、どのような仕組みで効くのかがはっきり書かれているか、そしてその効果を裏づける試験結果や使用実績があるか、の2点を確認するのがおすすめです。
農林水産省も2025年5月に表示等に係るガイドラインを策定し、表示の適正化を進めています。
参考・引用元
・矢野経済研究所「バイオスティミュラント市場に関する調査」(2025年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4122
・農林水産省「バイオスティミュラントの現状と課題について」(令和7年2月)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/attach/pdf/biostimulant-23.pdf
・農林水産省「『バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン』を策定しました」(2025年5月30日)
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/250530.html