商品レビュー 【石灰・カルシウム資材の選び方】「どなん」と「サンエスカルZ」を徹底比較|秋の土づくり、pHで選ぶカルシウム補給
▼こんなお悩みを持つ方におすすめ
✓ 秋の土づくりで、どのカルシウム(石灰)資材を入れるか迷っている方
✓ トマトの尻腐れやハクサイの芯腐れなど、カルシウム欠乏の生理障害に毎年悩まされている方
✓ 石灰をまきたいけれど、土壌pHを上げすぎたくない方
秋冬作の土づくりが本格化してきましたね。
今回は、ご相談の多いカルシウム資材(石灰)の選び方を、「どなん」と「サンエスカルZ」の比較で特集します!
秋冬作の土づくりが本格化するこの時期、「カルシウム資材(石灰)はどれを選べばいいの?」というご相談をよくいただきます。
坂ノ途中の資材販売にも複数のカルシウム資材があり、なかでもお問い合わせが多いのが「どなん」と「サンエスカルZ」の2つです。
今回は、この2商品を成分・pHへの働き・使う場面で徹底比較します。
結論を先にお伝えすると、選び方のカギは「畑の土壌pH」です。
どちらが上位ということではなく、畑の状態で使い分けるのが正解、という整理をしていきます。
そもそも、カルシウムは「あるのに効かない」ことがある
カルシウムは、細胞壁を丈夫にして株や果実・葉をしっかりさせる、作物にとって欠かせない成分です。
不足すると、トマトの尻腐れ果、ハクサイの芯腐れ、レタスの縁腐れ(チップバーン)といった生理障害が出やすくなります。
やっかいなのは、カルシウムが土の中に足りていても欠乏症が出ることがある点です。
トマトの尻腐れ果について、高知県(こうち農業ネット)は、「土壌中にカルシウム(石灰)が不足している場合だけではなく、カルシウム量は充分あるが、作物が吸収しにくい状態である場合にも発生する。」と説明しています。
カルシウムは植物体内で移動しにくく、また土壌が乾いていたり、アンモニア態窒素やマグネシウムが過剰だったり、マグネシウムやカリウムと成分が拮抗していると吸収が抑えられます。
つまり「カルシウム欠乏=資材を足せば解決」とは限らないのです。
「どなん」と「サンエスカルZ」はここが違う
2つとも土に施すカルシウム資材ですが、原料が違うため、土壌pHへの働きが異なります。
| 項目 | どなん | サンエスカルZ |
|---|---|---|
| 主原料 | 化石サンゴ | 天然硫酸カルシウム |
| カルシウム | Ca 55.4% | Ca 32% |
| その他の成分 | N 0.1%・P 0.1%・K 0.7% | S(硫黄)18% |
| 土壌pHへの働き | 酸性土壌を弱酸性〜中性に近づける(pHを上げる) | pHをほとんど上げない(中性・pH約7) |
| 形状 | 粒(5.0mm以下) | 粒状 |
| 有機JAS | 適合(JASOM-130412) | 適合(JASOM-210403) |
| 内容量・価格 | 20kg/3,750円 | 15kg/4,000円・150kg/37,500円 |
| 製造元 | コーラルインターナショナル株式会社 | サンエス石膏 |
※価格・税表記・在庫は変わることがあります。最新は各商品ページでご確認ください。
ポイントはpHへの働きです。
「どなん」は化石サンゴを原料とする石灰質資材です。
アルカリ分を多く含むため、散布するとpHが上がり、酸性に傾いた土壌を矯正する方向に働きます。
カルシウム含有率も55.4%と高く、「酸性土壌の矯正」と「カルシウム補給」を同時にこなせるのが特徴です。
一方「サンエスカルZ」は天然硫酸カルシウム(石こう)が原料です。
これは中性の資材で、施用してもpHにほとんど影響を与えません。
つまりカルシウムだけ施肥したい圃場、あるいはこれ以上pHを上げたくない圃場でも安心してカルシウムを補給できます。
硫黄(S)も含むので、アブラナ科など硫黄を好む作物にも向きます。
どっちを選ぶ? 判断基準は「pH」
選び方はシンプルです。
まず畑の土壌pHを測る。
これが出発点です。
pHが低い(6.0を下回る・酸性寄り)圃場 → どなん。
酸性土壌のpHを改善しながらカルシウムを補えます。
秋冬作の元肥・土づくりのタイミングでの全面施用が基本です。
pHは適正(6.0〜6.5)〜やや高め、でもカルシウムを足したい圃場 → サンエスカルZ。
pHに影響を与えずにカルシウムを補給できます。
すでに石灰をしっかり入れていて「これ以上pHを上げたくない」圃場にも向きます。
毎年のように尻腐れや芯腐れが出るけれど、土壌診断ではpHもカルシウムも足りている——そんな畑は、pHを上げる石灰を重ねると逆効果になりかねません。
この場合はpHを動かさない「サンエスカルZ」が有力な選択肢になります。
もちろん、両方を役割分担させるのも手です。
土づくりの段階で「どなん」でpHとカルシウムのベースを整え、生育途中でカルシウムが不足しがちな圃場は「サンエスカルZ」で別途補う、という施肥設計です。
資材の前に「土壌診断」と「水やり」も
カルシウム欠乏の生理障害は、資材を入れれば必ず止まる、というものではありません。
先ほどの高知県の説明どおり、土壌にカルシウムが足りていても、乾燥や窒素の効かせすぎで作物が吸えなくなることがあります。
実際、こうち農業ネットは尻腐れ果の対策として、「定植前に土壌pHを測定し、pHが低い場合には石灰質資材を施用する。」と挙げています。
裏を返せば、pHが低くないなら石灰を足すだけでは解決しないこともある、ということです。
土壌診断で現状を把握し、乾燥させない灌水管理、窒素をやりすぎない施肥とセットで考えるのが、遠回りなようで一番の近道です。
カルシウム資材は、その土台があってこそ活きます。
① 注目商品「どなん」
化石サンゴ由来の石灰質資材です。
カルシウム55.4%で、酸性土壌の矯正とカルシウム補給を同時に行えます。
有機JAS適合(JASOM-130412)。20kg入り。
② 注目商品「サンエスカルZ」
天然硫酸カルシウム(石こう)が原料です。
pHをほとんど上げずにカルシウムと硫黄を補給できます。
有機JAS適合(JASOM-210403)。15kg入り/150kgセットあり。
まとめ
カルシウム資材選びは、まず畑の土壌pHを測ることがすべての出発点です。
pHが低い酸性寄りの畑なら、pHを上げながらカルシウムを補える「どなん」。
pHは足りているけれどカルシウムを足したい・これ以上pHを上げたくない畑なら、pHを動かさない「サンエスカルZ」。
ご自身の圃場の状態に合わせてお選びください。
▼ どなん(化石サンゴ由来/pHを上げてカルシウム補給)
≫「どなん」の詳細・ご注文はこちら
▼ サンエスカルZ(天然硫酸カルシウム/pHを上げずにカルシウム補給)
≫「サンエスカルZ」の詳細・ご注文はこちら
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よくある質問
Q1. どなんとサンエスカルZ、結局どちらを買えばいいですか?
畑の土壌pHで決めるのがおすすめです。
pHが低い(酸性寄りの)畑ならpHを上げながらカルシウムを補える「どなん」、pHは足りているけれどカルシウムを足したい・これ以上pHを上げたくない畑なら「サンエスカルZ」が向きます。
まずは土壌pHを測ってみてください。
Q2. 尻腐れが出ました。カルシウムを入れれば治りますか?
必ずしもそうとは限りません。
土壌にカルシウムが足りていても、乾燥やアンモニア態窒素・マグネシウムの過剰で作物が吸収しにくくなり、欠乏症が出ることがあります。
応急的な方法としては、本記事の2商品とは別に、塩化カルシウムの0.2〜0.5%液を葉面散布するやり方も知られています。
ただしあくまでも対症療法なので、根本的には土壌診断・灌水管理・施肥の見直しとあわせて考えるのが大切です。
今回ご紹介した「どなん」「サンエスカルZ」は、いずれも土に施してカルシウムやpHを整える資材であり、生理障害そのものを改善する資材ではない点はご理解ください。
Q3. 有機栽培(有機JAS)の畑でも使えますか?
どなん・サンエスカルZともに有機JAS適合資材です。
ただし認定を受けた圃場でお使いになる場合は、念のためご契約の登録認証機関にご確認ください。
資材証明書の発行についてはお問い合わせください。
Q4. すでに石灰をまいています。追肥で施肥をしても大丈夫ですか?
pHを上げたくない場合は、pHをほとんど動かさない「サンエスカルZ」が安心です。
逆にまだ土壌が酸性寄りなら「どなん」でpHとカルシウムを一緒に整えられます。
いずれも入れすぎはpHや養分バランスを崩す原因になるので、土壌診断の結果をもとに量を調整してください。
参考・引用元
・農林水産省「土壌診断に基づく土づくり指針(施肥基準関連資料)」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/ntuti16.pdf
・高知県 こうち農業ネット「トマト 尻腐れ果」
https://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=3283
・坂ノ途中の資材販売「どなん」商品ページ
https://saka-shizai.i17.bcart.jp/product.php?id=19
・坂ノ途中の資材販売「サンエスカルZ」商品ページ
https://saka-shizai.i17.bcart.jp/product.php?id=111